【UE5】UE5.5で追加される機能

プログラマー尾関です。

今回はUE5.5で追加される機能について紹介したいと思います。

なおこのページで使っている画像は公式の「UNREAL ENGINE 5.5 – Roadmap」からお借りしました。

MegaLight (実験的機能): 大量の動的ライト配置

「MegaLights」は動的ライトを大量に配置できる新機能です。

  • 大量のライト配置1000個以上の動的なライトをシーンに配置可能
  • リアルな影の生成高品質なエリアシャドウを表現
  • ボリューメトリックフォグ対応: ライトがフォグ内で自然に表現される

MegaLightsは通常のライト使うよりもフレームレートが約2倍に向上することもあり、高速化も期待できます。

ただ、特定の条件で影の一部にちらつきが出るとのことです。現段階は実験的機能なのでプロジェクトに本採用するにはしばらく時間がかかるかもしれませんね。

Grammar: 建造物やフェンスがプロシージャル生成可能に

「Grammar」はシンボルや単語などの単純な表現を使用して、壁、柱、パネルなどの小さな要素を組み合わせたり連結したりして、フェンスや建物などのより複雑な構造を作成する機能。

例えば以下のような記述で建物が作れるとのことです。

[Entrance, {Corridor, Doors}*, Exit]

Material Designer Effects: マテリアルで手軽にポストエフェクト

マテリアルデザイナーには「色調補正」「歪み」「ジェネレーター」「ぼかし」といったエフェクトが追加されました。

Text Animators: ダイナミックなテキストアニメーション

文字をダイナミックに動かせるようになりました。

Modeling Tools (Beta): モデリング機能の強化

UE上でモデリングできる機能が強化されました。

カテゴリ説明
Weld and Collapseの改善中心へのWeld: より自然な結果が得られるようになりました「Weld to」ツール: 特定の箇所へのWeld toが可能になり、精度が向上しました複数グループエッジの同時操作: 作業効率が大幅に向上します
スカルプト機能の向上圧力感知サポート: スタイラスとタブレットを使用する場合、より繊細な操作が可能になりました
分割ツールの強化プレビュー機能: 分割結果を事前に確認できるようになり、作業の正確性が向上しました新しい分割オプション: ポリグループ、マテリアルID、頂点距離許容値による分割が可能になり、より柔軟な操作ができるようになりました
MeshToCollisionの改善凸分解オプション: より細かい衝突設定が可能になりました新しいナビゲーション駆動型アルゴリズム: パフォーマンスと精度が向上しています
プリミティブツールの拡張新しいカプセルツール: より多様な形状の作成が可能になりました円筒形セクションのカスタマイズ: より詳細な調整ができるようになりました

Learning Agents: 学習エージェント

Learning Agents は、ゲーム開発者が強化学習模倣学習を使用して Unreal Engine でボットをトレーニングおよびデプロイできるようにするプラグインです。

これによりテストの自動化やオンラインゲームのボットを作ることができるとのことです。

Chaos Flesh (実験的機能): 筋肉シミュレーション

UE5.5 のChaos Fleshには以下の機能が実装されます。

  1. 単純な単一アニメーション化された筋肉
  2. 基本的な機械学習(ML)サンプル
  3. 完全な筋肉シミュレーションの完成

現在は「脂肪層のシミュレーション」が開発中となり、今後の展望としては以下の機能が予定されているとのことです。

  1. 筋肉と脂肪間の静的制約設定(同一グラフ内)
  2. 駆動されたSkeletalMeshの外観検証
  3. GeomCacheからSkeletalMeshのML模型トレーニング

Niagara Lightweight Emitters (Beta): ナイアガラの軽量エミッタ

Unreal Engine 5.5では「ナイアガラの軽量エミッター」がβ版となりました。主な特徴は以下のとおりです。

  1. フレーム間での状態保存なし: 必要な時のみデータを計算
  2. 表示可能なプロキシのみ処理: 不要な計算を省略
  3. エミッター数の大幅増加: より多くのパーティクル効果を同時に使用可能
  4. 制約された高速な機能セット: 基本的な機能に特化し、処理速度を向上

これにより、例えば配置するだけのエミッタであれば高速化が期待できるとのことです。

Reference Viewer UX Enhancements: 参照ビューアのパラメータ表示

Unreal Engine 5.5の参照ビューアには「参照プロパティの視覚化」機能が追加されました。

  1. 参照ノードを右クリックして「参照プロパティを解決」を選択可能
  2. ノードを参照しているプロパティを視覚化
  3. 現在はノードアセットの参照/値またはタイプの両方のプロパティを取得

将来的には 特定のタイプ(マテリアル、フォント、マテリアルパラメータが参照するテクスチャ名など)の詳細情報の表示も検討されています。

その他、使いやすさも向上しています。

  1. 縮小表示時の改善。折りたたまれたノードが見つけやすく、参照が1つの場合は折りたたまなくなりました
  2. エディタ設定の反映
  3. パフォーマンス改善として、大きなグラフのロード時にエディタが停止しないようになりました

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